おじゃるまる

よく見ているアニメ、NHKの「おじゃる丸」最初は話題になっていたのでどんな作品なのかなぁって好奇心が勝って見始めたのだけど、今じゃ毎朝のように放映時間にチャンネルを合わしている。一日10分もない作品なんだけど、一気に持っていかれる事が時々ある。キャラクタと舞台は同じなのに脚本1つでここまで作品が変わって感じられるとは……。単純に面白可笑しい話も何か朝の一笑いって勢いで良いんだけど、今朝みたいな何か深い所を誘って暮れるような作品があるから見逃せない。かなり長い期間放映しているアニメみたいだから個々のキャラクタが立っていて、何も起こさなくても、登場させるキャラクタを選べばストーリィが進んでいく。だが今朝のは何て言えばいいのだろうか。今まで見続けた中で一番感動した話「まちかど」。場面は街角の洋服屋で固定、ショーウィンドウに一着物で展示されている大人の素的な女性の象徴のように登場する真っ赤なワンピースにスポットが当てられ進んでいくストーリィ。カメラは全く移動しない、時間と天候とその店の前を通るキャラクタが刻々と変化する、男性は自分たちの話に夢中になって気が付きもせず過ぎ去っていく、女性は全く別な事をしていても、目の端に入った瞬間域を奪われ足を止められる。想像を巡らせる、小学生、子供、老人……。このワンピースも売れる時がくる。それに気が付いた小学生の女の子、その子があのショーウィンドウにあったワンピースを着て歩く女性に目をやった瞬間、その視線をとらえるために、初めてカメラが動き、その後彼女が見ている女性がロングで写される。遠く朝の町並みに消えていく。言葉ではうまく言えないけど、短編の少女小説を読んだ後のような普段とは違った感動に襲われた。成長と憧れと現実と日常と。一着の服があまりにも多くの物を象徴し、魔法をかける。同じストーリィでも小学生の女の子を主人公に選んだり、店の人を選んだりしたら全く別なものになっただろう。あえてそれをしなかった勇気だろうか