そんなつもり

昨日まではそんなつもりは全くなかったのだけど。髪を切りに行って思い出したように高校へ出かけることを決めた。卒業してこれだけ経ってしまってはもう俺のことを知っている後輩なんて全く居ないのだけど、先生は健在。卒業しても会いたくなり、そして会いに行った。すごく久しぶりな気がしたけど、あの頃はお互い喋らなかったような記憶がある。今日ほどの時間喋ったのって初めてなんじゃないかな。面白かったし楽しかった。今の話、昔の思いで話、もっともっと色々な話、何を話したか思いだそうとすると難しくなるくらいテーマの無い話たち、お茶だけで延々と語った。偶然にすれ違った先生たち、懐かしさ、相手方も俺のことを覚えてくれていて、そして俺も向こうのことを覚えている関係、色々な懐かしい話を聞いて、ふと時間の流れを忘れる。真面目な話があり、時に驚かされる話があり、ちょっと冗談めいた話があり、裏話もある。自分がまだまだ見る目が甘かったことに気が付かされ、はじめて会った人ともそれなりに話せることをしる。拍子ついて話が盛り上がり、昼前に来たのが気が付いたら夕方になっている。時間の進み方が早く感じられてしまう一日、とても大切な時間。久しぶりじゃないかな、これだけ話したのも母校を訪ねようと思ったのも、そして会えたのも。嬉しい話だよ。学生と仲良くなっても面白かったのかもしれないけど、まぁ時々思い出してくれるくらいの存在で俺は十分。自分が卒業したのが偉く昔に思えて、でも楽しさみたいな時間を越えるものが確実にあることに気が付かされる。こんな為に俺は地元に帰ってくる。場所じゃなくて人に戻る。