お茶の水に楽器街があります。
店の前は何度か歩いたことがありますし、
何度かお店にも入ったことはありますが、
それらのお店でお買い物をしたことはありませんでした。
でもいざ新しい楽器を買うのならば、
その楽器街に行くべきだと思っていました。
雛人形を買うときに人形問屋街の浅草橋に行ったように、
電気製品を買うときには、電気街の秋葉原に行ったように、
気になる古書を探したいと思ったら、まずは神保町に行ったように
そういう店が集まっている場所は、
そういうものが好きな人が集まってきて、
欲しいものを買う空気が形になっていくんです。
欲しい物を買おうとしたら、
その物を欲しい人が集まっている中で買うことは
自分の中の欲しい気持ちが形になります。
ネット通販ならばこれと決めた物を一歩も動かずに買うことはできますが、
何となくいろんなものを見たい、
その中でどれかを選んで買いたい、
不意の出会いに期待したいと思い始めると
リアルのもつ情報量には絶対に叶わないんですよね。
にしてもまさか
今日の今日で買って帰ってくるとは思っていませんでした。
欲しいものがあって、
その欲しいものを買うということには
何の問題もありません。
欲しいと思うものがあって、
それがお金で買えるものであったことはとても幸せなことです。
欲しいの気持ちはその人だけのもの、
他の人には理解できないもの。
自分だけ理解できればとても幸せなもの。
形になる欲しい。
形にする欲しい。