霜島ケイ『妖面伝説』封殺鬼シリーズ[2]妖面伝説 (小学館キャンバス文庫―封殺鬼シリーズ)作者: 霜島ケイ,西炯子出版社/メーカー: 小学館発売日: 1993/12メディア: 文庫この商品を含むブログ (7件) を見る

日本に生まれると鬼という言葉は自然と耳にするようになります。伝説や昔話しかり、鬼ごっこのような遊びしかり。私が鬼と言うものを知ったのはいつが最初だったでしょうか、桃太郎の話を知った幼稚園の頃よりも昔でしょうね。鬼って海外のファンタジィに出てくるような怪物とはまた違うイメージなんです。コボルトとかオークとか「指輪物語」には当たり前のように出てきますが、日本の鬼とはイメージが違います。人を人の世を恨んで怨んでいると鬼になるって話は自然と自分のうちに生きているのも、何万年も続いたこの国の歴史なのでしょうか。
自分が別な生き物になることを選んでもなろうとした鬼。生き方を変える補との恨み辛みとはどんなものなのでしょうか。少しだけ想像して、気分悪くなるので、止めておくことにします。これが自分で制御出来なくなることが一つの鬼でしょうか。またその怨みを捨てられるような出来事とはどんなことなのでしょうか。失ったものは失ったものでしか得ることは出来ません。代替することもありますが、それはその本質が同じだったのでしょう。自分のすべてをかけて何かを求め、求めているものだけど求め続けている。ほしいものは解っているのに手に入れることができない。今あるものを失ってまでほしくない。そうやって選んできました。これからもそうやって選んでいきます。思い出すとき思い出は深くなっていくのでしょうね。