茅田砂胡『遥かなる星の流れに』(下)

とても素的なラストシーン、読んでいてとってもうっとりしてしまう……やってきた人はやがて、元居た世界へ帰って行く、自らの努めを果たして……金・銀・黒3種のネズミさんと中央の大国デルフィニアの物語。伝説として生きた人は、歴史の中に名を残しやがて新しき自分を見出す。何が面白いのか? 何がこれ程惹きつけるのか? 様々な言葉で形容したくなるけど、この読後にハッキリと残る気持ちだけは幾億の言葉を尽くしても表し切れない気持ちかもしれない。大長編ファンタジィを一瞬で読ませる圧倒的な文章の持つ魅力。様々な魅惑的な個性を放つキャラクタ達。胸踊らされるシチュエーション。全てが好き、大好きな作品がまた一つ増える幸せ。