Daivid Handler『真夜中のミュージシャン』

真夜中のミュージシャン (講談社文庫)

真夜中のミュージシャン (講談社文庫)

言葉がこれ程綺麗にスタイリッシュに響いていく。数頁に一回は必ず俺の心を砥澄ませてくれる言葉に出会う、ハッとさせられる。会話中心に構成された作品でその中心となる会話が知的でお洒落。自分なりにアレンジして普段の会話の中に使ってみたくなる、そのままでは伝わりにくい言葉がこうして作品になる事で鋭利に切られる。作中の言葉が今の自分とてらし会わされる、今の俺だからより伝わって来るものが多いのかもしれない。とても痛くそして切ない。言葉の持つ力、追いかけていくだろう、この人の作品は思い出すために、磨くために、楽しむために。