永遠はあるよ。

永遠はあるよ繰り返される日常、季節は巡り、あの時のまま封じられているたった一つの大切なものを覗いては、時として流れて行く。自分が覚えている事が、絆の証。その絆のみが、日常の世界に奇跡を起こす。例えば、階段に一日じっと座り続ける。その間に何人の人が通り過ぎていくのだろうか? 座っている階段の横を、目の前の廊下を、そしてその通り過ぎて行く人のうち何人が自分を知っていてくれるのだろうか? 約束も無く、偶然逢うのも一つの奇跡。約束を結ぶ事が出来る事だって、一つの奇跡。度重なる選択肢の一つ一つを選び続けて来たから、今の自分って言う存在がある。その選択肢もここから広島へ出る方法の様に、飛行機を使うか、列車を使うか、バスを使うか、車を使うか、程度の違いの様に、結果は同じ選択肢は沢山あったんだろう。それと同じくらい、選ぶ事によって、全く違う自分になっていたかのような選択もあっただろう。記憶の中に生きる。そこで人と繋がり、それが世界をつくり出す。自分の世界、周りの世界。目には全然見えないけれども、確かに在ると感じられるもの。昔、お菓子の国に住みたいと思った、お姫様が居ました。姫が望み続けるうちに、その国は実際に存在しはじめたのです。望み始めた頃、姫はその世界に住む王子と盟約を交わしました。永遠の盟約です。その世界に生きる事は、姫が今生きる世界での消滅を意味します。その世界は永遠の世界です。幼き日の姫はその永遠に憧れました、永遠だと思っていたものが壊れる瞬間を体験していたので、永遠の無いこの世界からは逃げ出したいと思ったのかもしれません。その思いを暫く忘れていた姫でしたが、少しだけ大人になった頃、思い出してしまいます。引金を引いたのは、あの日の夕焼けでしょうか? それとも、今日震えた心の琴線だったのでしょうか? 日一日とお姫様の存在は希薄になっていきます。今日も一人の知合いに存在を忘れられました、自分自身で自分を忘れてしまいそうです。一人の若者が居ます、最初は何でもない存在でした、近所の幼馴染みとか、新年の祝賀会で顔を逢わせる従兄弟のような、居る事が当り前の存在。ちょっとしたキッカケで動くものがあります、このキッカケが最後には、絆になり希望になり奇跡になります。ラストシーンは、語らないでおきましょう。えいえんはあるよ。