北村薫『スキップ』

スキップ (新潮文庫)

スキップ (新潮文庫)

時。流れるのか、降り積もるのか、積み重なるのか……時計やカレンダでは測れないけど、確かに存在する時間がここにはある。思い出す事は出来ても、取り返す事が出来ないのが時。人が居るから時と言うものに名前をつけ意識する事をはじめる。もしも人が時に関わらなかったら、時は存在しないのか? 多分そういう事はないのだろう。そうと意識される事はなくただ動きだす。自らの中にある時。周りにある時。それが違ってしまったら……