上遠野浩平『ブギーポップ・オーバードライブ歪曲王』

ブギーポップ・オーバードライブ 歪曲王 (電撃文庫)

ブギーポップ・オーバードライブ 歪曲王 (電撃文庫)

どこにでも居て、どこにも居ない存在。越えていくまでは意識するのだが、過ぎてしまうと在った事すら忘れてしまうような存在。その意識はあまりにも大きく自らにのしかかる。普段はそれを忘れたふりをして生きていくのだろうけど、やはりそいつはどこかで自分に影響を与えている。こいつから受けるものの大きさはまわりのそれとは究極的に異質なもの。ヒトが創ったものでヒトの力で破壊出来ないものは無い。壊す事が出来ると言う事はまた新しいものを創りだす事だって出来る。壊す事をためらってはいけない。目を逸し続ける方が何千倍も恐い。自らの中を切り刻む位素的な言葉に溢れたそれ。痛い。