上遠野浩平『ブギーポップ・ミッシングペパーミントの魔術師』

時間と出来事との関係ってこんなものなのかもしれない。因があって果がある事が大多数を占めるのだろうけど、未来に因がある事だって起こり得る。一人の人間が同時にいくつもの物語の脇役でそして一つの物語の主人公になりえる。主人公だけやっていてもいられなくて、脇役だけやっているわけにもいかない。時系列にそって全ての物語が起こればたやすいのだろうけど、起こる順序はすべてバラバラ。ただこれから起こる事は時系列に沿わないと認識されない。そんな中で努力をして夢を見付けていく。端からみれば愚か者で芸術家。だからこそ愛しい。