雪乃紗衣『彩雲国物語』想いは遥かなる茶都へ

形のない気持ちに名前をつけることは難しい。
無理矢理名前をつけようとして
「恋」だとか「愛」だとかと名前をつけて、
気持ちを伝えようとする。
そうやって形にしたことを言葉にすることで伝えようとし、
伝わったような錯覚に陥る事もある。


心ってそうじゃない、
言葉にしなくても感じるもの。
言葉にしようとすればするほどこぼれ落ちて行くもの。
だからこそ、丁寧に気持ちを伝える。
より正確に言葉を選びとる。
感じたその気持ちを大切にする。
何か通じ合うものはそこにあるはず。
そこから生まれるものも多くあるはず。

具体化することが目的ではない、
最初物事は抽象的にとらえることしかできない。
それに名前を与えて具体化する。
そこから本質を選び出し、何かを感じ取り、
より抽象的になったとき。
言葉を越えた一体感をかんじたとき。
言葉からより多くの想像を得られるのだろう。


小説は小説。
小説一冊を読んで、自分が何をするべきなのか?
何を考え、何を言い、どう行動するようになれるのか。
得ようとする気持ちがあれば何からでも得られるもの。