森博嗣『君の夢僕の思考』

君の夢 僕の思考

君の夢 僕の思考

写真を見る毎に思うのが視点の切り口のことです。普段みているものでも、写真という形で周りを取り除き集中し抽象化することで、新しい世界を魅せてくれます。普段私は私が決めた私の瞳で世界を見ています。その中にこれだけ抽象的で先進的な情景をみていたでしょうか? 形が、光が、色合いがどうしようもないくらい心に響いてくれます。
これらのディジカメで切り取った写真と、隣に並べられるテキストで切り取った世界観。小説の一場面なんかに登場した言葉たちがこうして前後から離されて一人たっていることでより言葉に力を感じるんです。これらの材料を積み重ねて描かれる世界観に読み始めたあの日から私はずっと酔わされています。
ここにこめられた本質は? この作品から私が受けるこの心の動きが愛しいんです。これを自分でしっかり捕まえて形にしたいと思いました。ですからこうして読書後に言葉をまとめています。自分でこういう表現をやることを、自分のテキストに写真を加えることを考え始めた今日です。