『花とゆめ』2003年13号

『ひつじの涙』の展開がとても気になります。とてもミステリアスな雰囲気が漂う世界感。学園物なのかもしれませんが、エピソードを極力削ると短編ミステリィに仕上がりそうな話に、ですがそれらを惜しげもなく散りばめてキャラクタを掘り下げていく感覚には毎号酔わされています。贅沢なマンガです。秋吉家シリーズの頃から日高万里の作品は大好きで沢山読んできました。学生時代には単行本を一気に買いました。
あと驚かされた展開が『紅茶王子』です。大好きな人ともう逢えないというのはどんな気持ちになるのでしょうね? 何より自分が今の気持ちを相手に伝えようと決心した直後にです。走り始めた気持に方向を与えることなくブレーキを踏まれてしまうと、ブレーキが壊れることだってあります。そのときの気持ちを想像すると静かに悲しいんです。でもその状況にしたかったって意志もありました。咄嗟をついて口からでる言葉は本音に最も近い物だとしたら、いつから考えていたのでしょうか? 呼び方が変わったときから? それとももっともっと前から。視ている人はよりよく見えるものです。気がつくのも誰よりも早かったのかもしれません。一ヶ月休みの先が楽しみです。