喬林知『明日はマのつく風が吹く!』

瞳を閉じて思い浮かべる世界があります。今の世界と比べてどちらが良い悪いではなく、どちらもまた私自身が決める世界なのです。この世界にいるときには、もう一つの世界を。もう一つの世界にいるときには、この世界を。ここを決めるのもまた私自身なんだと思わせてもらえる世界があります。
どんな世界にも周りには仲間がいます。それぞれ素晴らしい面を持って、自分のことと世界のことと私のことを思って生きています。そんな人たちに何かできることはないかと思って。相手への思いやりを見よう見まねでなぞってゆきます。その世界でできる力で仲間たちのために。想いは静かに巡っていきます。
ふと風が吹きました。この世界も天気は上々です。