エゴイスト

自分の気持ちを本気で直接告げるって言う事。これほどのエゴは無い。相手の事を考えるのはとても大切な事なんだろうけど、そればかりでは、伝える事なんて出来ない。時には思いっきりわがままにならないと、伝えられない。相手の今言っても良い時の信号を受け取る事は大切なんだろうけど、理屈ですむものじゃないからね、心の深い所って。感情のコントロールは出来ても、やっぱり漏れる所があるのはそういうことなんじゃないかな。引金を引いたのは彼女。あの時電話がつながっていればもしかしたら、今日の事は無かったかもしれない。電話嫌いの俺が二回もコールする事が出来たって言うのは、自分の中でも特筆すべき事。それがベルがなるだけで受け取られなかったのだから、俺はどうしようもない。伝える手段が絶たれたら、最初から続く最も大切で基本的でここから始まった手紙って手段を用いるだけ。冷静に思い返すと矛盾だらけだろうし、伝わり難い事この上無いのかも知れない。告げる事って何かのキッカケと一瞬の興奮状態がもたらすものなんだろう。生まれてから二度目の告白。恋の回数は数えて行けば思い出すだけの数はあると思うけど、こうして言葉にして伝えたいと思ったのは二人目。うんと小さい頃の事を忘れていなければ二人目。エンディングを向かえるのがこれほど恐い事も無い。後悔は何をやってもするはず。のがれられない。気持ちの在り方が一様ならば、後悔なんてものもしないのだろうけど、多くの事が同時に存在しえるのが心。選ぶって事はそして過去を見返すと後悔するばかり。ただ、その時の選択は最上のものを選んだと胸をはって言える。だからこそ、後悔する自分に落ち込んだり、後悔する事は無い。未来は見えない、見えるのが過去だけだから、悔いるのだ。今日もその時にとれる自らの中で最良をとったつもり。何が起こるのか、何も起こらないのか。