犯罪者

何か刑の執行を待つ犯罪者のような気持ち。執行猶予のつかない死刑宣告を受けて、それまでを牢獄で過ごしているような感覚。心の檻。自分らしさって言う檻に因われてしまって、感情を発散させる事が出来なかった。後悔している。あの時これ以上の行動をとる事は出来なかったのだろうし、他に選ぶ事は出来なかったって事が十分解っているけど、後悔している。そう、例えあの時告げていたとしたら、どんな返事を受け取ったとしても、返事を受け取らなかったとしても、後悔はしていたと思う。人を好きになる、恋に落ちるって。何とも言えない情けない事、そして何とも言えない、輝かしい事。人を好きになると、弱点が産まれる、愛しい人と話している自分、愛しい人からの反応が全く無い現在、これが今の俺を一番傷つける。逆に他の事なんて何でも無いような気がするくらいの、心の強さが産まれている。自己完結していない恋愛がしたい。相手を幻でしか知らなかった頃、本当に出会って、幻を好きになっていた自分に戸惑ってしまったのが正直な所。ハッキリ言ってしまえば、俺と似ている所は少ない、大切な本質と、性格的な所、好きな物。生きていた時間があれ程違って、周りの環境があれ程違うとは思っていなかった。はじめて会ったその瞬間に伝えられなかったのが、先を決めた。知れば知る程、その時感じる事が好きになる。心奪われる。人を好きになる事に、正解なんてない、権利でもない、一般論が当てはまる部分もあるのだろうけど、同じ恋なんてその瞬間は二度とやって来ない。その時の自分に正直にあろうとも、後悔はする。感情のままに動いていて傷つけるのも恐い。自分が傷つくのも恐い。どっちも同じくらいどっちの天秤が大きく傾くのだろうか。解らない。エゴとエゴとのぶつかり合いを求めていた事に気がついた。会うまでは気がつかなかった事。会うまでは単に伝えられれば良かっただけ、自己完結していたそれが思い返すと恥ずかしい。メールの返事が届かない。手紙も今日届かなかった。不安、どうしようもなく不安。一番の弱点がここで暴れている。自らを痛めつける。