伝えたいこと

伝えたい事は多くとも、話したい事は少ない。言葉の持つ力を知る故に言葉の持つ限界も知っている。一つの事から沢山の事を学び取りたいと思いながら進みつづけた俺だから、様々な事を感じる感性は常に研ぎ澄ませて置きたいとおもう。そして時の流れの無常さも重々心得ている。今の気持ちは明日の気持ちとイクォールには成り得ない。こうして今と言う時を言葉で封じこめる事により、先々まで残す事はできる。だけどそれに引きずられる様ではまだまだ甘い。全てを踏まえた上に先を歩み始めることが出来る自分がいるのだから。誓える事は大変少ないのかもしれない。だからこそ人は約束をする。今を言葉にする事難しいが出来ないことではない。だけどその言葉が明日も通じるかどうか判らないから、取り決めを交わし、印を求める。たかが印に引きずられるのかもしれない。俺の中でそう言うものよりも重いものがある、信じると言うことだ。どんな約束よりも重きを置く言葉。信じて貰える相手には全てを尽くしたいと思うし、信じられると思った相手にはとことんまでかけてみたいと思う。事と事の繋がりがもたらす約束ではなく、人と人との繋がりがもたらす信用であり信頼であるもの。確かに形にしない事はずるい事なのかもしれない。形としての安心というものはある方が落ち着くものなのかもしれない。だけど、俺は言葉で縛ってしまいたくない、己が命ずるままに自由に飛翔する心の動き、到底言葉で表現出来るものではない。だからこそ俺は言葉を紡ぐ事が好きなのだろう。誰よりも知っているとは思わない。俺は俺なりに言葉の持つ力を知っている、言葉の限界も知っている。そこへ挑戦する楽しさ。俺のもう一つの夢かもしれないな。安易な快楽にすがるよりも、俺は俺でありたい。