森博嗣『冷たい密室と博士たち』

冷たい密室と博士たち (講談社文庫)

冷たい密室と博士たち (講談社文庫)

ミステリィを読むのは何故なんでしょうね? 私がミステリィを好んでいるのは何でなんでしょう? 突き放すような正解は、面白いからってことなんでしょう。でしたら、どうしてこの話は面白いのかなぁってこうして書きながら考えています。読んでいる間って外界の大半は遮断して活字が描き出す世界に浸っているので、そんなことは考えませんよ。ただ、こうして読んだ記憶を書き残すことが、また新しい視点を作り出してくれます。何も考えてない状態と一つのことを考え続けやり続ける状態って大きな隔たりはないのでしょうね。
このストーリィを読むのは何度目でしょうか? 何度も何度も読んでいます。それでも夢中になりそれでもひきこまれているんですよ、この人の作り描く世界にね。学生時代は同じく工学部にいたので少し近いことがあるですとか、こんな人いるんですよねぇと懐かしく思い出すとか、そんな感想ではなく。私が学生の頃はここまで考えてここまで視ることができたろうか?? って感じでしょうか。近づきたい世界があるのは日々をとても楽しくしてくれます。