森博嗣『夢・出逢い・魔性』

夢・出逢い・魔性 (講談社ノベルス)

夢・出逢い・魔性 (講談社ノベルス)

最後の一文を読んだときのあの感覚。事件が起きてそれが解決される。それすら道具としてさらに大きなもの、真に迫るものを描いている。タイトルと引用文と詩と全ての連なりが見えたような気持ちになる一瞬。後に続くもの、事件の連なり。終わることのないそれが、終わっては始まり始まっては終わる。その一場面を作品として切り取る。ギリギリまで絞られた世界。