村山由佳『僕らの夏』

おいしいコーヒーのいれ方 (2) 僕らの夏 (集英社文庫)

おいしいコーヒーのいれ方 (2) 僕らの夏 (集英社文庫)

恋している。答えもない普通もない形もない恋をしている。そこにあるもに、人に惚れる、べたぼれ、好きになる、どうしようもなく愛おしく想える。今そこにいることの力、いない時にどれだけ想いがつのろうとも、目の前にした瞬間にそんなあれこれなんて小さな小さなものに想える力。危険で何かを孕んでいる恋。ピュアだとか純だとかそんなものではない恋。どこまでもどこまでも相手を大切に想う恋。言葉にするなら「好き」の一言。それだけの言葉の背景にある想い。