村山由佳『天使の卵』

天使の卵 エンジェルス・エッグ (集英社文庫)

天使の卵 エンジェルス・エッグ (集英社文庫)

読み終えた瞬間、この人の作品をもっともっと読みたい。この人が描く世界に触れていたい。今すぐに本屋に駆け込みたいと思わせられた作品。今が夜で本屋がしまっている時間なのが、悔しく思えて仕方が無い。これから先、事ある毎に何度も読み返す事があるだろう事を予感した作品。忘れた頃も、内容をまだ覚えている頃も……この予感は外れないような気がする。当り前の様だが、誰の視点で読むか、どんな気持ちでこの作品を読むかによって、泣ける、涙が溢れてしまいそうになる。作中の一つ一つが自分の体験とシンクロした時溜らなく胸を指し貫く。革新的な状況は無い、この中にのみある感性。あの日、偶然、webでこの本の紹介文を読めた事がすぐに買おうとおもって本屋に走れた事が今とっても嬉しい。