茅田砂胡『ファロットの誘惑』

裏書のあらすじを読んでもしかしてシェラが……と思ってしまい本文中でその場面になると俄然肩に力が入ってしまった。こんなに作品世界に入りこんでいる自分が妙に嬉しかったりするのもまた事実。大勢の中のたった一人の異邦人リィ。そのリィと唯一存在を共有しているような人でないレティ。好き嫌いで殺害を考えないと言うのはどういう事なのだろうか? わかるようでわからないのは俺が普通の人だからかも知れない。