村上春樹『海辺のカフカ』(上)

海辺のカフカ〈上〉

海辺のカフカ〈上〉

良いね。
この独特のリズム。
時々読む速度を落として、静かに1人静かに朗読したくなる。
1つ1つが完結でいて。どこのページからでも絵を描くことができそうになる。
一章毎に視点が切り替わり、最初は全く関係なかった世界が少し近づいているような感覚がある。確証はない。でも、心の奥はしっかりと掴まれている。似たような構造の物語は読んだ事はあるけど、こうやって描ける事は小説の力。
書いてあること、書いていないこと。
ボーダライン上を詩にうたっているような世界。
自由な世界を広げる。