留守番電話

部屋に帰ると滅多にかからないうちの電話の留守番電話のボタンが点滅していました。妙な感覚で再生してみると、案の定間違え電話でした。ですが、残された伝言が想像できないものでした。

田舎から都会の姪さんあてにかけてきた叔父さんからの電話ってイメージ、数年電話をかけてなかったけど、思い立った事件があってかけたような日。その事件が母親の離婚。その言葉を発した瞬間の声の主の変化って明らかでしたからね。そして最後には、たまには電話をしてやりんさいよって言葉で締めくくられ。機械音で時間が入ってました。

この間違いは伝えたい言葉が伝わってないんですよね。私がこの番号を使いはじめてから三ヶ月が過ぎようとしています。一度使わなくなった番号は灰汁抜きするかのようにしばらく置いておくって話ですから、それくらいの間掛けなかったけど知らせておきたくなった事件。話の断片から想像していました。

この国の私の電話に繋がったことも1つの奇跡。数千万人間がいれば多くの物語が折り重なるのは道理です。それらがあつまったこの世界の素的さをまた1つ観た気がします。