秋深し

秋深し。

久しぶりに食べた焼き魚。食堂での昼食に、さんまの塩焼きってメニューが目に止まり、早速注文。うぅん、どんなものなんだろうか、骨までしっかりと火は通っていたようだけど、皮も焦げてなかったし、期待していたものとはいかず。残念。もっと油がのっているような、焼き立てまるごとさんまが食べたかったのだけど、なかなかね。食堂でそれを望むのは難しいのかな。

一人暮らしをしていて、食べにくいものの代表がこんな焼き魚だろう。専用のグリルを買ってくれば作られるのだろうけど、それ以外だとなかなかね。焼き立て焼き魚が食べられる定食屋でもなければ食べられないメニュー。魚を食べようと思って、煮魚を作る事は時々ある。内臓と鱗だけ取って醤油や味噌で煮付けると結構美味しい。でも焼き魚となるとね、私が持っている焼くための道具はフライパンだけ。これで作るには、魚を三枚におろさなければいけない、おろせばフライパンでも何とか火が通るからね。でもこうやっていると、和食の焼き魚ってよりも洋食のソテーとか、ムニエルとかって言葉に近づくんじゃないかな、実際これが何なのかって言われると困る二つなんだけど。切り身何かを買ってきて焼く事もあるけど、これは三枚におろすのと同じ感覚か。

だからかな、丸ごと一匹の焼き魚ってのがなかなか難しい。小学生の頃だったかなぁ、七輪で焼いた魚を丸ごとかじって食べた事がある。あれは美味しかったな。釣り立てを傍らで火をおこしている七輪に置き、ただ塩だけをふって内臓すら取らずに食べる美味しさ。だけど、今惹かれるのは、その味よりも、秋の旬の油がたっぷりのったサンマをじゅっと焼いたもの、炊きたて御飯と熱いみそ汁があればもう完璧。大根おろしもつけちゃおうかな。

書きながら想像するだけで口の中に涎が出てくるような感覚。

食堂で食べる味を求めた焼き魚はもうこの程度だということで、次からは定番の空腹を満たし栄養をとるだけのメニューになりそうな気分。