Richard Back『かもめのジョナサン』

かもめのジョナサン (新潮文庫 ハ 9-1)

かもめのジョナサン (新潮文庫 ハ 9-1)

久しぶりに書くなぁ、ここに文章を。この間は森博嗣のエッセィや蜃気楼を読んでいた。記憶にだけにのこす読書もたまにはね。森博嗣の「ミステリィ工作室」で知ったこの作品。面白いんだよ、これが小説として成立し、本としてあることが不思議なくらいのギリギリの世界。何かを扱ったのではなく、淡々と描き続けられる世界。実際これって小説なのか? 小説家が書いた世界だとは思えない、って書くと俺が小説家を小馬鹿にしたような書き方だけど……。ウェブで公開されている、読んで面白い日記の世界観に近いものを感じた。何も書かれてはいないとすべてが書かれているが同時にある。