見積もり

スケジュールを見積りながら作業をしていると、どうもギリギリ下手したらこっちの方が分が悪いみたいなので、5台回す事にした。更に1台追加した事になる。こいつは今使っている4台よりも頭一つ遅いので敬遠していたのだが、ギリギリの状況になってしまっては致し方ない。加えて実行回数がここまでくると数値がどの辺りに出て来るかが判って来たので、レンジを狭めて少し繰り返し回数を減らしてみた。両方の合計で計算すると作業は2.5倍のスピードで進むはず。1日30位とれれば良いのだけど、ざっと一週間を見積もっている。こうして延々と裏窓でプログラムを実行させながら、表ではエディッティング作業に没頭する。視界は広いので裏にした窓の表示が動いたのが目に入ったら、ウィンドウを切替えるよりも速いスピードで頭を切替えてデータをとり、また新しいパターンを実行させる。数値的には面白い値が出て来ている気がするけど、この値がどれだけの意味を持って来るのかはまだ判らない。本質を考えると言うこと。どこまでもどこまでも、余計なゴテゴテとした飾りをとっぱらって、残ったものがそれになる。それさえしっかりつかんでいれば、どんな質問をされても動じる事は無いはずだし、解らない事も自信を持って解らないと言える。解る範囲と解らない範囲の境界線を引くことが出来るのは、頭の良さと言い替える事が出来るかも知れない。これは頭の回転が速いことよりも、問題を解くテクニックを身につけていることよりも、もっともっと重要な事。そしてなかなか難しい事、自分で本質を考えているつもりでも、そこはまだ長い道のりの第一歩にしか過ぎない事だって多いし、それをみてしまうと、歩き続ける事が辛くなることもある。ただ、逃げていても解決はしないし、打たれて即へこたれていたのではしょうがない。別に強い事が良くて悪い事が良くない事だと短絡的に考えるのは好きじゃないけど、やりたい事が続けられない事は辛い。ふっと頭が硬くなる。ディスプレイを見ながら考える。左の胸が橙色の光を放ちながら震える。フィリップを開けて今まで見ていた画面とは比べものにならないくらい小さい画面を見つめる。アドレスを知っている数少ない人からのプライヴェートメール。本名アドレスを今二つもっているけど、公開していない方のこっちを知っている人は片手で余る位しかいない。研究とも研究室とも全く関係ない話が出来る。とっても寒いね。雪が降っているね。今この瞬間が伝わってくる。なんとなくホッとする。優先順位が上の仕事が出来て、気分が変わる。また次への集中力が培われる。別に約束したわけじゃない分、何かが休まる。これも今の俺の本質。このアドレスへのメールは保護しないと同時に消去もしない、ただ古いものから少しずつ消していく。今までの想いとも少しずつ上手につき合えるようになっていく。ある事に慣れていく。失ったものを取り戻そうとすることよりも、何を失って何を失っていないのか考える。悩む事を恐れない。答えを急がない。外は雪。カレンダは今年の残りが後わずかだと告げる。