怖い

怖い、とてつもなく怖い。総ては勘違いに端を発するのだろうけど、された方は堪らなく怖い。好かれる気持ちは誰だって嬉しい。でも、押しつけられるのは、押さえつけられるのは戴けない。ただただ、怖い。ある程度の事は俺も許せるし、許したいと思う。そうは思うけど、絶対に俺には許せない事はある。俺でありつづける為に譲れない境界線がある。弱いのも脆いのもそれはその人の性質で性格だし、そういう人が困っていたら俺は助けたいとは思う。だけど、それとこれとをはき違えてはいけない、弱さの影から卑怯者が顔を覗かせる。増長されては、こちらが付け込まれてしまう。この関係は障害を乗り越えて育むべきものだとは思えない。この年で目覚めるものではない。己の悪しき点が無いとは言いきれないけど、それにしてもやりすぎだ。己が己でありつづける為に、より素的な俺になる為に。切らなければいけないものがある。手帳のアドレス欄にあったこの男の名前を墨で塗り潰した。あとは返事を書くのみ……