森博嗣『数奇にして模型』数奇にして模型 (講談社文庫)作者: 森博嗣出版社/メーカー: 講談社発売日: 2001/07/13メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 23回この商品を含むブログ (135件) を見る

何でもないような場面に使われている言葉たちがとびっきりお洒落ででもどこかずれていてそんな所にこそ嬉しさがあるようで、嬉しいくせに涙がでて飛び上がるように泣いている。自然には届かない距離へ手を伸ばし、そこまでして届けたいものは案外と手元で見つける。らしい生き方をらしさまで突き詰めることで、日々が一つの目標に近づくためだけにあるから毎日が楽しくて、それを達成できれば他に何もいらないくらいの気持ちになれて。仕事していることは手段にすぎず、勉強していることもまた手段にすぎない。見た目で受ける印象にズレがあることに何となく反応してしまい、こみ上げてくる笑いを欠伸に変える。一球で全部のピンが倒れたような爽快感は、人の意志があるからこそ。私は私だけど、一つと一人で一息いれる。散髪屋で切った髪の毛はこの先どうなるのか? 灰になって消えたたばこはどこへ漂うのか。人の目でみるもの、機械の目を通すもの。すっかりきっかり面白い