『花とゆめ』2003年17号

17号だったんです、私が初めて本誌を買ったのは。まだ「紅茶王子」は体育祭をやっていて朝比奈くんが大活躍していましたし、「しゃにむにGO」は始まったばかり。「フルーツバスケット」も同じくらいに始まったんでした。そのころから続いているマンガもあれば、新しく始まったものもあります。雑誌を買うって歴史を体験することなんです。一人の作家が好きでその作家の作品を追いかけるのも楽しいんですが、こうしてまとまるとチームの力やカラーなんかも見え始めます。「花とゆめ」にはこの雑誌の色合いってのはあるんですよ。こういう色合いを発揮できないと雑誌は厳しいんでしょうか。その上この色合いを求める市場があるってことは大切です。週刊雑誌が休刊になるってニュースを聞きましたが、一本一本のマンガは面白くてもまとまった力がないと単行本で動きます。出版社の収入はどっちが高いのか、作家の収入はどっちが高いのかって概算するとまた面白い。どこまでも芸術だから、値段を付けることも暴挙なのでしょうが、つけることによって尺度も生まれます。願わくは、この雑誌が永く続くこと。まだ「ガラスの仮面」も最終回を迎えていないというのですからね。