霜島ケイ『鬼族狩り』封殺鬼シリーズ(1)

最初に読んだのは、もう10年近く昔、友達に借りて読みました。最近本屋で版型を改めてこれが出版されていることに気が付いて、読み返したくなり。買ってみました。思い出以上に面白い作品です。こうしていわゆる少女小説に分類されていた文庫がそうでない形に改まったのは、『十二国記』についで二作目かもしれません。面白いものは、形なんて関係なく面白いんです。でも形を気にする人もいて、そんな人たちのために形を変えて提供したんでしょうね、形が変わると情報が伝わる方法も変わっていきます。目にとまる確率も増えていくんでしょうね。でもそんなことよりも、面白いものは、何だろうと面白いんですよ。
人をほしいと想う、人を憎いと想う。両者の感情はとても近くにあるのでしょう。どちらも激しい感情、人を人から別なものにすら変える力もあります。この国の歴史、物語、民話、伝説、よみがえらせればよみがえらせるほど面白いんです。私の血の中をしっかりと流れていることを感じます。