ポー『ポー詩集』

ポー詩集 (新潮文庫)

ポー詩集 (新潮文庫)

言葉で描かれる世界。見ているものを形にするときに用いられる道具には様々なものがある。言語は翻訳されている。だけど視点はそのまま貫かれている。進んでいく、続いている。描かれていく。心地よくなっていく。今までこのような詩を読んだことは無かった。スケッチというのが近いのか、それも見た物ではなくて、感じたものを映し出したスケッチだということが。どれだけ明快で切れる人間でも、感情はあふれてくる。そんな想いを救ってくれるのがこういう芸術。デザインされてはいない、その場で出来たもの。可能性を教えてくれる。縛りの無い世界であることを思い起こさせてくれる。自由はとてもリアルになる。