乙一『平面いぬ。』

平面いぬ。 (集英社文庫)

平面いぬ。 (集英社文庫)

裏表紙に書かれているたった一言で作者の世界に連れて行ってもらえます。どういう意味? 表紙裏に少し書いてあることに好奇心を刺激してもらい、読み進めるうちに表題作の中でこの一文を発見しました。この文章のもつ力で本の世界に入り込みました。この人の描く世界は好きです。ジャンル関係なく、ただ面白いんですよ。作中に『はじめ』って作品があるんですけど、これは最初『週刊少年ジャンプ』でマンガになった作品を読みました。本作ではネタを知って読んだのですが、ネタを知っていて読んでも面白いんですよ。設定だけに感動させられるのならそれまででしょうが、その先がね。思い出させてくれます。面白さって素的です。
私にとってブランドである作家の一人が乙一です。