『花とゆめ』2003年14号

思いっきりメタ視点でマンガを読むことがあります。作品世界に入り込んで読んだ方がマンガは面白いのでしょうが、また別な楽しみ方もあります。マンガ家が準備したスペースに編集者さんが粗筋ですとか登場人物の紹介ですとか、付録の予告ですとか扉の挿入文ですとか、「GOGO花ゆめいと」ですとかを加えていきます。今号みたいに扉の挿入文を読者から募ることも時々行われているようです。そうやってできあがった連載マンガを各作家の作品を重ねて間に広告やマンガ賞などの募集を加えて一冊の雑誌ができあがっています。文字と絵、色合いやページこれらを決めているのが編集者なんだなぁと思うと何か想像してしまうんです。例えばすべてのフォントを明朝体にして漢字から読み仮名をなくしたら絵柄がこれでも印象が違う本になるのかなですとか、綴じ方を中綴じにするだけでも少女マンガな印象が全くなくなるのではないかなぁとか。
マンガの本質はどこにあるのでしょうか。本の本質はどこにあるのでしょうか。今こうしてマンガを読んで得られる印象ってマンガを読み続けているから得ているものもあるんです。コマを読む順番すら読み続けたから知っているんでしょうし。これからマンガはどう変わっていくのでしょうか? ただ媒体に表現方法にと変わっても面白いと思うものは面白いんでしょう。