- 作者: 京極夏彦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1999/09/08
- メディア: 文庫
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内と外の境界線がこの匣なのでしょう。この匣は堅くしっかりしているようですが、自分の思い次第でいかようにでも変化でき多くの物事を十二分に取り込めるだけの許容量を持っています。自分が決めたものが匣でもちろんどちらが内でどちらが外かを決めるのもまた自分自身なのです。気を緩めると自分がいる場所から向こうへ連れて行かれることがあります。そんな所に取り憑こうとするのが魍魎です。自分の憑き物を自分で落とせる内はまだまだ大丈夫です。色んな夜はありますが、必ず私は立ち直ります。