乙一『死にぞこないの青』

死にぞこないの青 (幻冬舎文庫)

死にぞこないの青 (幻冬舎文庫)

また思い出を思い出させてくれるお話でした。自分の思いでがよみがえるから本を読むことはとても楽しく思います。読書の楽しさの一面が私にとってはここにあります。思い出す思い出は楽しいものもそうでないものもあります。それらすべてが集まって今の自分があるんです。
この主人公の少年は私くらいの年になったらどんなことを思い出すのでしょうか? 逆にそれ以外のクラスの子供たちはどんなことを思い出すのでしょうか? 何より先生は幼いころどんな小学生時代を過ごしていたのでしょうか? 不器用に立ち回るしかできない人は沢山います、器用に何でもこなしてしまう人もまた沢山います。器用不器用ですら、その人が決めることなのですし時によってそれを決められないことも多くあります。どんな人も誰かに見られています。それを意識することなく、それへの思いやりを忘れずどんな中でも自分で物事を決められることが何よりも大切だと思います。