堀井憲一郎『「巨人の星」に必要なことはみんな人生からまなんだ。あ。逆だ。』

私は『巨人の星』と言う作品を読んだことがありません。『タイガーマスク』はレンタルビデオで借りてきてよく見ていたのですが、『巨人の星』は一度も見たことがないんです。ですけど、星飛雄馬や一徹の名前ですとか、大リーグボールという名前などは聞いたことがあります。作品を知らない私がどこで聞いたのでしょうか? これらの名前は原作を超えたところで取りだたされることが多いような気がします。地元にいたころよく聴いていたラジオ番組内に”一徹の卓袱台”というそのままズバリのコーナタイトルがありましたし。原作知らないと一徹と言えば卓袱台だったんですよね。でもこの本はそれが単なるイメージであったことを教えてくれました。
好きなこと、気になること、面白いことには愛情を沢山こめて調べていきます。そのスタンスが愛すべきお馬鹿さんで何だか嬉しくなってしまうんですよね。好きって気持ちを形にするには色んな手段がありますけど、これは極みではないかと。これくらい好きな作品があるということは、そこから人生のすべてを学べだことは、幸せの形です。
とは言っても、気楽に肩の力を抜いて爆笑させられる文章の数々。あれこれと脱線しながらも最後にはきれいに収まる。面白い作品に出会えました。