三好達治『三好達治詩集』

三好達治詩集 (新潮文庫)

三好達治詩集 (新潮文庫)

思い出したように、また詩集を買って読んでいます。高校時代から自分に詩の流行りが訪れると、本屋に出かけて詩集を買っていました。最初から最後まで通して読むこともありますが、ふとページを捲ったところを読んでみたり。一編の詩を何度も追いかけてみたり、声に出して読んでみたり。そんな楽しみが詩にはあります。
三好達治を読んだのはもしかしたら初めてかもしれません。梶井基次郎からの流れと森博嗣からの流れがぶつかったところに三好達治がいました。何か優しい世界を感じます。時々愛しいくらいに淋しくなる一編やどこまでも遠くが見えたような一編もありますが、世界はここから始まるようで、こんな描き方もあるんだなぁって思ったり。
この優しさはどこから感じるのかなぁ〜。行から行や連から連への飛翔や、比喩の味わい、旧仮名遣いも自然に響いてきています。素的な作品を読むと自分でも書いてみたくなります。