赤江瀑『獣林寺妖変』

獣林寺妖変 (講談社文庫)

獣林寺妖変 (講談社文庫)

帰省列車の中で考える、読む、読みながら考える、考えながら読む。久しく文芸雑誌も読んでないことだし、やりたい事が増えたし、今までの形をやめて1冊毎の形で記していこうと思う。1作と1冊の差違はどのくらいかな……、連載や連作短編やシリーズや外伝や、考え出すと際限がないから、とりあえずは一冊毎。そう、私はやりたいことをよりやりたいようにやるだけです。

生まれた時間を軸に編まれた短編集。私には全く馴染みの無い世界がこの人の文章を通じて感じられる。この業の世界もまた小道具に過ぎない、迫ろうとする妖しき狂気、目をそらせたいが、甘美な味わいが捕らえて離さない。こんな時にも道具の持つ価値を知る。