流れる音楽

店を歩いていて、流れてくる音楽にふと耳を奪われる。当初の目的も忘れて、立ち止まり聴き入る時間。自分でCDを借りてきたり買ってきたりして聴くのとはまた違う。ラジオの電波に乗って届けられるのともまた違う。真剣に聴きたいって気持ちで聴くのではなく、聞こえる事で行動が止まる、世界はその音楽だけになる。

詩とかメロディとかリズムとかシチュエーションとか、それらの言葉じゃない心の奥底を震わされるような時。瞳の奥に熱い物がこみ上げてきそうな感傷。時間が交差して、様々な声が聞こえてきそな時間。言葉ではないコミュニケーション。遠く遠く飛び立つ。音楽が持つ力。この力があるから、音楽に心をこめる。音楽に心がこもる。タイトルを伝えるだけで、頭を流れる音楽。思い出は様々な場所に宿るのだろうけど、音楽の思い出はまた格別なもの。蘇る事がまた一段と思い出を深くさせる。

言葉で伝える、思い出が共有される時、私の思い出が私達の想い出になる時。少しずつ少しずつ増やしていくもの。形ある絆だけでなく、形無い絆。心と心がここにある。大切にしたいから、未来を今に近づけたいから。確実に進んでいきたい。