加納朋子『いちばん初めにあった海』

いちばん初めにあった海 (角川文庫)

いちばん初めにあった海 (角川文庫)

二人の女性の絆と再生。視点を限ってさらに表現技法をも限って周りの言葉で一人のキャラクタを埋めていく。少しずつ描くところ、三人称ではない技。最初のストーリィで終わった一つのエピソードだけど帯の言葉を信じて二つ目を読み勧める、場面が進むに連れて、二つのストーリィが連なっている所が見え始める。加納ストーリィの気持ちよさ。大どんでん返しっていうミステリィではなく、気持ちいい所を教えてくれるミステリィ。新しい気持ちよさを教えてくれた作者