Frederic Forsyth『ジャッカルの日』

プロの仕事。その仕事に挑もうとするプロ。莫大な金を取るだけがプロではない。金がとれる仕事とは何かを知りぬき、自らの仕事に誇りを持っている。常に先を読み切り、今の自分に出来うる最善の行動をとる。カッコイイ。読んでいるだけで溜息つきたくなるくらいカッコイイ。一つ一つの準備、下見に始まり、計画に必要なものを手に入れる方法からそこでのやり取りまで。裏のかき合い。意識しないところの盲点を付き、攻め入る。基本の上に発想と勘を乗せる。成功失敗は小さなこと、互いの名前に思いを込めて仕事をこなして行く。フィクションとノンフィクションが入り混じった小説と解説では述べられているけど、この時代のフランスを知らない俺にとっては、全てがどちらであろうと意味は薄い。読んでいるとどちらがどちらなのか判らなくなるのも面白さの一つ。