上遠野浩平『ブギーポップリターンズVSイマジネーター』

やりきれない不安が己を襲って来る。PART1からはじまって挿話としては一段落ついていた話がPART2に入る事でさらに大きい物語の一部に不時着する。自分のあり方をとても素直に表現してくれる。自らの中に新しい方向性を見せてくれる。今までの自分が酷く意固地だった。この物語は何かそんなものを直接に間接にぶつけて混ぜ合わせて紡がれたような話。世にある全ての物語がそうなのかもしれない、単に今の自分に近いから感じるものが多いだけなのかもしれない。文章を読んでいる自分が心の奥で泣いている。反省の涙か、後悔の涙か、感動の涙か、それとももっと他の涙なのか、言葉にすると限りなく珍妙で心の奥の方にあるはずの、言語化出来ない部分を現そうとする言葉に出会ってあげている一つの叫び。もちろんこれでもこぼれるものはある。時期を間違えたらそっちの方がおおいのかもしれない。今の自分にはこれに残るものに心をやっている。こんな瞬間があるから、生きていられる。