京極夏彦『塗仏の宴』宴の始末

塗仏の宴 宴の始末 (講談社ノベルス)

塗仏の宴 宴の始末 (講談社ノベルス)

事件なんぞ起こってないミステリィというジャンルで括れる小説でもない…謎なんてものは最初から無いのだからそう、ここにあるのは普段感じるズレみたいなもの一人一人が少しずつ、意識が常とのズレをきたしているようなものそこに散りばめられた、哲学的思想ミステリィというよりも学術書に近いのではないのだろうか……? そこにある文章に自分が揺らされる…どんな日常を生きている人も、外から観ればずれているのから…足元が不安になるくらいに、自分の存在が危うくなるくらいに揺らされる俺は救って欲しかったのかも知れない。