- 作者: 京極夏彦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1998/03/27
- メディア: 新書
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始末も出版された事だし、もう一度支度を読み返す事にする。厳密な意味では短編集じゃぁ無いのだがとりあえずこの形でいく「ぬっぺらぼう」支度のスタート、関口巽のストーリィ奇妙なシンクロ感と、とても考えさせそれが恐ろしくなるのは独特のものだろう……
「うわん」
「狂骨の夢」にも登場した朱美のストーリィ前章「ぬっぺらぼう」とのシンクロ感が読んでてとても気持ちが良いカルテットは誰も登場しないのに何時の間にか朱美の性格に惹き込まれて本の中に入りこんでいる。何か欠けているんだろうか……
「ひょうすべ」
京極節本領発揮! 章同士のものもだが、自分とのシンクロ感はとても気分が良いものだ時系列的にはでもこれが一番古いのかも知れない・・・凡ての事件は根元を一つにしているのか? そもそも事件は起きているのか? 現象の凡ては上澄みにしか過ぎない、感じさせるのは表現されないものの大きさかな
「わいら」
敦子と榎木津のストーリィ榎木津は、やっぱり何時も何時までも榎木津だ脱論理ではなく超論理の人、見えないモノが見える人そして、ここまで名前だけだった女性がまたまた奇妙な繋がりを持って登場する… こうして記しておかねば、忘れてしまいそうな、けどやっぱり表現しきれない想い
「しょうけら」
木場の旦那のストーリィ無意識が意識に及ぼす影響それ程重要ではない、右か左かと言うような選択。俺はどうやって選んでいるんだろうか? 凡てを自分の意思で選んでいるつもりだったが、やはり何かの影響を受けていてそれが望むとおりに動いているのかもしれないそんな事を思うと自分だけで物事を決める事は不可能なのかもしれない。だからこそ、そこから何を選ぶのか?
「おとろし」
完璧な個とは存在しえないのか? 「絡新婦の理」唯一の生き残り織作茜のストーリィ。あの一族の生き残りであると言う事……己の中に沢山の矛盾を抱え込み生きていかなければいけない。人。自分というものが不安で堪らなくなる時。