浦賀和宏『時の鳥籠』

時の鳥籠 (講談社ノベルス)

時の鳥籠 (講談社ノベルス)

時は静かにその姿を変える。作中に感じられる音楽は優しく限りなく静かな調べを耳に運んで来てくれる。誰の視点でこのストーリィを読むのか……第三者としてではなく、誰かの視点と自分のそれが同化した時、この物語は心地よいラヴストーリィに姿を変える。解釈や解題なんて必要無い、ただ自らの中心に移りゆく時をそれにつれて得られる最終ページを響かせてゆくだけ。完結し関連付く。とっても恐い。