物集高音『奇想天外探偵小説「血食」系図屋奔走せり』

血食―系図屋奔走セリ (講談社ノベルス)

血食―系図屋奔走セリ (講談社ノベルス)

覆面作家の作品。作者の欄には作中人物が書いた形で記されており、実際のこの文章を誰が書いたのかはハッキリ判らない。良く知っている有名作家なのかはたまた新人なのか、思う所は色々あれど答えは出ない、こういう一般的な作中作とはまた違う感じの作中作の面白さ。いつか発表されるのだろうか、発表されないのか……それがとっても楽しみ。作中に漂う雰囲気はとても好き、時代背景が昭和初期というなんとなく妖しさに満ちていて良い。でも、それだけと言ってしまえばそれまで。