若木未生『グラスハート』(5)

音を文字で切り取る事が出来る人。瞬間を文章にする作者。どこと無く多く、そしてやっぱり少ない……勢いと雰囲気は、音楽を文学に近付けるにはこれしか方法が無いのではないだろうか、だけど同じことは今回だけしか出来ないのではないだろうかと思うくらいの作品。親切ではない、どちらかと言うと読者に対して優しくない文章が世界が続いていく、読んでいてとてつもなく痛い。紙面が歌い始める世界。この作者でもっとも好きなシリーズ。