鈴木光司『ループ』

ループ

ループ

「リング」三部作ここに完結する。一応今は外伝として「バースディ」が発行されているのだけど、正伝としてはここまで。超一級のホラー小説にはじまった「リング」が何時の間にか、理科系の学術論文のようなストーリィになる。こういう話は大好きだけど、ハッキリ言うと驚いた、こういう小説もありなのかってね。俺はもちろん何度も考えた事がある。最もはじめの生命の誕生は何かの意思がはたらいたのか? いったいどういう経緯で誕生したのか? 己の存在を超越するような絶対者はいるのか? 現実と仮想現実の境界を論理的に定義する事は出来ない。己が信じるものが現実でしかないのだから、こういう発想を進めていくと大変面白い。