茅田砂胡『獅子の胎動』

前巻ではまだ布石でしかなかった設定が、一つ一つ形をなしていく。そしてまた新たな謎を広げつつストーリィは広がりを見せる。様々な気になる単語の数々。何となく先が見える様で……見えない様で……このバランス感覚が堪らなく好きな俺。これも一つのファンタジィの醍醐味みたいなものだろう。政治にまつわる陰謀、暗殺請負、様々な攻防、そしてそれらの奥に潜む妖しさ。それら全てを明るく吹き飛ばしてくれそうなキャラ達。これがこのシリーズの最大の楽しみ。